月別アーカイブ: 2014年4月

GWのお知らせ

いつもお世話になっております。

遅れてしまいましたが、GW休業のお知らせです。

GWはカレンダー通りの営業となりますので、お休みは4月27日、4月29日と5月3日~5月6日です。 それ以外の日は通常通り営業いたしております。よろしくお願い致します。

井田

弓の話 3‐1

これまで弓の歴史や材料についてお話してきましたが、ここまでは文献や資料を見れば分ります。

今回のお話は弓のタイプのお話ですが、これは証拠があってこのお話をするのではなく、仕事の中で色んな弓に触れてこの弓はこうなんじゃないか?という考えのもとのお話なので一つの意見、考えだと分って頂けると嬉しいです。

タイプと言ってもご存じの方もいらっしゃると思いますが俗にいうサルトリータイプ、ペカットタイプ等ではなく、もっと根本の弓の木取りのお話です。

木取り手書きの絵で汚いですが上の図の違いはお分かりになるでしょうか、材料のペルナンブーコを弓を作るためにカットします(木取りと言います)が①は木をまっすぐに木取っています、材料の無駄がなく1つの材でたくさんの弓が作れます。①´は最初から弓の反りに沿って木取っています。材料に無駄な部分が出てしまいますね。本数も多くは取れません。

ここが1番違い、決定的に弓の性能の差が出る部分であり弓作りにはこの2タイプあったと考えられます。これの中間のような弓もありますが…

ではこの2タイプどのような違いがあるのか、自分たちが弓を扱っていて感じたこと、思ったことをお話ししていこうと思います。

このお話をするにあたって、まずは弓の作りかたを簡単に説明させて頂きます。

これから説明する作り方も本当にそうか?と言われると、そう思うとしか言いようがないのですが便宜上これで行きます。便宜って便利な言葉ですね(^_^;)

ひとまず弓の話3-2から弓の作り方を始めます。タイプの違いについてより分りやすくなると思いますのでちょっと脱線します。そんなの良いから早くしろと思うかもしれませんが、ごめんなさい引っ張ります<(_ _)>

では次回、弓の作り方です。

井田

 

 

弓の話 2

今回は「弓の話1」でお話しした楽弓のストラドと呼ばれる、フランソワ・トルテに至るまでの弓の歴史をお話ししたいと思います。

楽弓の起源は狩りに使う弓矢ではないかと言われていて、ハープも同じ弓矢が起源では?とも言われています、もしかしたら楽弓とハープは兄弟なのかもしれません。

狩りに使う弓矢が起源としてお話しさせて頂くと、今の楽弓の形と昔の形はカーブの形がまるで違いました。バロックボウを見たことがある方は解るかもしれませんがバロックボウは弓先に行くにしたがって反りが逆になります。

bow-reki

この図、一括りにバロックボウですが、最初の頃の弓に比べ年代が経つと反りが逆になっていくのが分ると思います。

では、なぜ狩りに使う弓のカーブからほぼ逆のカーブへと移行していったのでしょうか・・・

実際に弓を使って実験してみるとすぐにわかりますが、逆反りの弓で楽器を弾こうとすると安定性と直進性が無くフラフラしてとても弾きにくくなります、つまり弓が今のような反りになっていったのは直進性の確保、弾きやすさを追求していった結果だと思います。

バイオリン属が登場したのが16世紀頃ですのでそのころから弓の形状もどんどん弾きやすく変わっていったのではないでしょうか。

今でこそ、前回お話しした弓の材料はペルナンブーコが一番良いとされていますがバロックボウはペルナンブーコに比べると重く、硬い材料でアイアンウッドやスネークウッドという材料が多く使われていました。

バロックボウ以後オールドボウの時代にもペルナンブーコ以外で作られた弓は結構あります。トルテ以降ペルナンブーコは高価で手に入りにくくなっていったとも言われていますが、フランス革命後のフランスの情勢の不安定さなのかは分りません。この時代は1789年の革命からナポレオンの時代へと続く歴史の真っただ中ですから輸入が途絶えたり流通がなくなったのかもしれません。、こんな中生きるために弓を作り続けていたんですね。

こうして弓の形とともに機能性が進化してきた楽弓は図の一番下に出ているビオッティ(イタリアのバイオリン演奏家)がパリで活躍中のトルテと出会いこんな感じにしてくれ!!とでも言ったんでしょうか?助言をし、トルテが試行錯誤して今の弓の反りになったと言われています。

最初は通奏低音を弾くためのものだったので早いパッセージなどは必要なかったのが、バイオリン属の発展とともに必要になったため進化して、現在の形にトルテにより完成さました。ここまでがバロックボウの歴史と言っても良いと思います。

弓のシャフトの削り方、フロッグの形の様々な改良、工夫がなされトルテを超えるものを作ろうと後の製作者が作り続けても超えられない、故に弓のストラディバリと呼ばれています。

次回はそんなトルテの話も交えつつ弓のタイプの話をしようと思っています。

では、また次回。「弓の話3」で!

井田