月別アーカイブ: 2014年6月

弓の話 3‐2

前回弓の話3-1を書いてから2か月…

思い出すために自分で読み返しまして、改めまして「弓の話3-2」弓の作り方のお話です(^_^;)。

作り方は量産メーカーのように1度に沢山作るのに適した作り方と1本作りのメーカーのように1本1本作るのに適した作り方があると思いますので、違いなどその都度出来るだけ書いていこうと思います。

まず、弓を作るには欠かせないシャフト(ペルナンブーコで作る部分)の木取りですが、これは前回のお話で書いた通りまっすぐに木取りするか最初から反りの入った状態かでスタートが違いますが木を削りだします。

この木取りの際に大量生産のメーカーはまっすぐ木取りをした方が生産性が良いのは前回お話しました。

この次に書くお話でこの違いに触れますので今回は製作工程をメインとして、スタートが違いますがどちらも木を切り出すところから始まります。

この状態では大体四角い木の棒です、次にシャフトの下面フロッグのついている3面の整形をしていきます最初にこの3面を出すのは次の工程でフロッグの台合わせと言いますが、フロッグがシャフトの3面と綺麗にスライドするように整形するためです。

因みに量産弓の多くは木取りをしたまっすぐの状態のまま手元は角に残っている状態で旋盤と言う機械(こけしを作ったりバット作ったり独楽作ったりするものでろくろとも言います)にかけて丸くまっすぐな棒を作ってしまいます、最初がまっすぐでないと、この工程は難しいですね、ここでも作り方に差が出てきます。そのあと下面の手元部分のみスライドする部分の整形をします。そしてここで熱を入れて反りを入れます。

最初に言い忘れていましたが弓の基本の形は8角形です、丸弓は8角形を16角にして32角にして64角にしてだんだん丸になります、大体の量産弓はこの工程を省いて最初から旋盤にかけて作るので皆丸弓なんですね。

そしてフロッグの台合わせをしていきます、三面にピタリと合うようにフロッグの乗る面を作りネジを取り付ければシャフトとフロッグの大体の形が出来上がります、1本作りの場合最初の3面を作ってフロッグを合わせると1本のシャフトに対して1つのフロッグしか基本的に合いません、削る面の幅や角度が全く同じ弓はないと思って下さると分りやすいです、それに対して量産の弓はシャフトとフロッグの間に銀でできたプレートがあります、これを作ることで面の幅、角度が統一されこのプレートに合わせてシャフトもフロッグも作れば基本的にどの弓にでもフロッグはマウントすることが可能になり分業できるようになりました。ヴィヨームがこのスタイルを発明したと言われています。ヴィヨームはフランスでディーラーをしていた人で工房には沢山の職人がいました、このヴィヨームが今の量産スタイルを作り出したといっても良いと思います、このときは旋盤は使っていないと思いますし、ヴィヨームの工房の製作家でも角弓はあります。この工房に有名なペカットやボアラン、ペルソワも働いていました。

そして1本作りの場合この後シャフトの幅(横面)をつくりヘッドの幅フロッグの高さを決めてヘッドの毛の入る側の形、それに伴ってフロッグの幅も決まります、ここまで来るとあとは最初に作りだした面の反対側上3面を作りヘッドの形を作ればシャフトは8角形になり形はほぼ完成で、フロッグも幅と高さが決まっていますので銀細工や貝の加工などないオープンフロッグであればほぼ完成です。1本作りの場合ヘッドとフロッグのバランスが弓それぞれ木の雰囲気や強度により変えることができます。削り出しの弓の場合反りのカーブを作りながら削っていくのでとても難しい作業になります。

量産メーカーは旋盤で削り出した後は大体の反りをつけて台合わせをした後はヘッドを作りフロッグの仕上げをして完成です、早いです。

この後どちらも反りの修正など細かい手直しはすると思いますが大まかに弓の作り方はこんな感じだと思います。

これが正しい製作工程かどうかメーカーそれぞれ違うと思いますが遠からずと言ったところでないかと思います。分りやすいように1本作りと量産メーカーとして比べていますが、弓の作り方を通して削り出し弓と曲げ弓の同じ弓でもこんなに作り方に違いがあるんだとちょっとでも知ってもらえれば幸いです。

ですが今世の中に出回っている弓のたぶん9割が量産タイプの曲げ弓だと思いますので、多くの方は削り出しの弓の感触をご存じないと思います。

ではなぜ削り出しの弓が作られなくなったのか?弓の作り方を最後まで読んで下さった方は予想はつくと思います。

そのお話は次回。

文章だけで挿絵もなく想像しにくかったかもしれませんが分らないことなどあれば何でもご質問ください、僕も実際昔の作り手を見ていないので分らないことだらけですが、全力でお答えいたします。

次回は先ほどのなぜ削り出しが廃れたか?というのとこの2つのタイプ作り方が違うけど実際弾いたらどうなの?という所をお話しできればと思います。

相変わらず文章が長くて説明下手ですいませんm(__)mもっと短く分りやすい言葉で説明出来るように精進します。

ではではお楽しみに!!

井田

 

 

 

ご挨拶

いつもホームページを見て頂いて有難うございます。

篠原からもご報告させて頂きましたが先月付で退社致しました。

これからは弟子は僕一人になりますが、これまで以上に頑張ってこちらの更新もしていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

しばらく更新さぼっていた奴のセリフとは思えませんが…

 

近々弓のお話含め色々載せようと思いますのでこれからもよろしくお願い致します。

井田