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楽器の重さ

図この図は6月中に親方の製作した楽器の重さを測り出したのがきっかけで楽器の重さは湿度の変化によってどんなふうに変化するのか?という疑問の元に新作の楽器(A)、モダン(製作時期1920年代)の楽器(B)、製作から10年ほど経過した楽器(C)の3本の重さを毎日計測してその時の天気と湿度を合わせて計測したものです。

この図の湿度だけ見ると恐ろしいほどの湿度の変化、また高湿度ですが当店の楽器の保管の仕方として普段人間が生活するのと同じように楽器も保管するというのがモットーで無理な湿度管理はしておりません。楽器はショーケースにも入っていませんし、過度な除湿や加湿もしません、自然の気温と風、エアコンは使いますが人の生活空間と同じ様に管理していますので湿度だけ見るとすごいことになっていますがご了承ください。

平均的に楽器の重さは460g~480g位でパーツや材料の重さで前後する事はありますが大体この位です、図のVnAは飛びぬけて重たいですが、これは親方の製作した楽器です、理由は簡単で楽器の表板、裏板が厚いためです。パーツは軽いのに・・・ごついです。

それぞれの重さはあるとして、グラフを見ると一目瞭然なのですが、湿度が高くなると楽器の重さが比例して重くなっているのが分ると思います。逆に湿度が下がってくると重さも軽くなるのが分ります。しかも3本とも綺麗に同じように変動しています。

つまり楽器の材料、木が空気中の湿度を吸って重たくなったり乾燥して軽くなったりしているということですね、普通に考えれば当たり前だと考えると思いますが、実際計測して見てみるとこんなに顕著に表れるとは思いもしていなくてビックリしました。VnAは出来たては502gあり、それから計測を始めるまで日数があったのですが6月11日には512gまで増えています。10gも水分を吸っているということですね、そりゃあ湿度が増えると楽器の調子がおかしくなるよな~って妙に納得してしまいました(^_^;)

バイオリンですら10g前後は増えるのでチェロなんかはもっとすごいことになるのではないでしょうか?軽く50gくらい増えそうです・・・

この結果を受けて常に安定した湿度で質量も一定に管理した方が良いのではないか?と思うかもしれませんが、楽器の状態も人間の状態と同じように常に動いて変動しているものなんだなということを知って頂けたら嬉しいです。

人も湿度が高くなると気持ち悪いし体調も崩してしまう人もいます、それと同じ事ですね。

逆に急激な湿度変化の方が楽器にも人にも負担になりますね。

例えば、湿度がすごいからと言ってケースに乾燥剤を入れたりするとケースから出した途端に急に湿気たりもしますのでご注意ください。もちろんその逆もあると思います。

こんな風に毎日楽器の重さを計測したこともなく普通に仕事をしていましたが、やってみて初めて分かることもあり、とても面白い結果になったので勉強になりました。まだまだ分らないことだらけで面白いですね(^^)

井田