settingのお話 3

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今回のsettingのお話はネックの角度に関するお話です。この図の示しているのはネックアングルと指板の高さの関係です。今回は少し複雑な話になるのでなるべく分かりやすく書くつもりですが、分かりにくかったら御免なさい。後から質問等何でも受け付けますので悪しからず。

一般的にバイオリンの場合、指板の高さプロジェクションとも言いますが、それはフルサイズの場合は27㎜でネックの仕込みの角度はネックの仕込んである表板の端で表板と指板接着面の高さが5.5㎜というものです。

表板の厚みや楽器の横板の高さなどの関係なく一律に決まった寸法になります。この図ではネックアングルはバイオリン、ビオラは横板と表板の接着面の延長戦上に上ナットの頂点が来る角度チェロの場合-8㎜~-6㎜になるという事とプロジェクションは横板の高さに比例して決まるという図になっています。この図には書き込んでありませんがプロジェクションはバイオリンの場合で横板の高さの0.9倍、チェロは0.675倍、ビオラは0.872倍になります。すると横板の厚みが30㎜の楽器のバイオリンの場合プロジェクションは27㎜になります。横板が低ければ比例してプロジェクションも低く高ければ高くなるということになります。これによって表板の指板との接着面の立ち上がりが5.5㎜というのは関係なくなり、また指板の厚みも5㎜~5.5㎜というのも関係なく楽器によって適正な寸法があるということが分かります。

逆に先に指板の厚みを決めてしまえばそれに伴ってネックアングルの角度も変わります、つまり一般的に言われている楽器の寸法が本当にその楽器にとって丁度良い寸法になっているのか、そこが問題になってきます。例えばチェロで横板の厚みが115㎜のものがあったとして図の通りの計算をすれば115㎜×0.675=77.625㎜です、が普通に言われているチェロは指板の高さは81㎜ですので81㎜でセットした場合その楽器には指板が高すぎる状態になります。こうなると表板に対する弦の張力が強すぎるので表板を上から押す力が強くバランスが取れないということになります。その場合は指板を下げればいいのですがただ3.375㎜指板を下げれば良いのか、ネックアングルの位置はこのままで良いのか、ネックを抜かないとネックアングルの位置が悪いのか指板で調整できるのか全部含めて指板の高さを適正な位置に持ってこないといけません。

もちろん最初の回でお話ししたネックの真ん中とボディの真ん中を合わせることも忘れてはいけません、つまり指板が高いといっても一概にじゃあ削って下げましょうか、低いです、じゃあ新しく厚めの指板を張って高さを上げましょうかまたはネック上げして…とはならないということです。そこだけ見て仕上げただけで満足するのは何の問題の解決にもなっていないと思います。寧ろ寸法だけで見ていると楽器にとってはマイナスにもなる可能性があるということを覚えていてもらいたいです。寸法というのはあくまで一般的な参考数値でそれが全てではないということです。