さて、年始に弓の話をします、と言って1ヵ月経ってしまいました…。
忘れてた訳じゃないですよ、パソコンに向かう時間を作らなかったと言い訳しておきます。ごめんなさい。
それでは弓の話です。
今回は弓の材料、フェルナンブーコと言う材料についてです。
このフェルナンブーコと言う材は豆科の木で原産国はブラジルです。
「赤い木」という意味でブラシルの国名にもなっているものです。この木がなぜヨーロッパに渡ったかというと、このフェルナンブーコはブラジリンという染料が採れるためにヨーロッパで輸入したのが始まりではないかと思います。
水、アルコールに浸けると鮮やかな赤オレンジ色が出ますが、酸化しやすくしばらくすると赤黒くなっていきます。
今現在、この木は過度の伐採により絶滅の恐れがありワシントン条約によって輸出入できません。今弓メーカーが生産できているのは2007年にワシントン条約で輸出入禁止が決まった以前に伐採され、輸入した分で作っているからなんです。
そのうち「弓はフェルナンブーコ」と言うのは過去の話しになって、カーボンファイバー、グラスファイバーで作られた弓が主流になる世の中が来るかもしれませんね。
楽器もカーボンで作られたのが出てきている世の中ですから楽器も弓もカーボン!!みたいな時代になって行きつつありそうで恐いです。
ちょっと話が逸れましたが当時ポルトガルの植民地だったブラジルから染料として入ったフェルナンブーコが18世紀にフランスのフランソワ・トルテにより最高の弓材と認められた為に弓にとってフェルナンブーコは必須アイテムになりました。
それはトルテの時代から今も変わらず続いています。
これがフェルナンブーコの木です。弓の色からは想像できないくらい普通ですね、木の中心が赤い色をしていて、まわりは白い木です。黒檀や柿の木等も同じ仕組みです。
次回は弓を完成させたと言われているフランソワ・トルテに至る弓の形の変遷をお話しようと思います。
下書等なくいきなり書き始めているので伝わりにくい所などあると思います。
そんな時にはどしどし質問受け付けます、分からないことも多いので調べながらですがf(^_^;
ではまた次回!「弓の話 2」です。お楽しみに!
井田