弓の話 2

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今回は「弓の話1」でお話しした楽弓のストラドと呼ばれる、フランソワ・トルテに至るまでの弓の歴史をお話ししたいと思います。

楽弓の起源は狩りに使う弓矢ではないかと言われていて、ハープも同じ弓矢が起源では?とも言われています、もしかしたら楽弓とハープは兄弟なのかもしれません。

狩りに使う弓矢が起源としてお話しさせて頂くと、今の楽弓の形と昔の形はカーブの形がまるで違いました。バロックボウを見たことがある方は解るかもしれませんがバロックボウは弓先に行くにしたがって反りが逆になります。

bow-reki

この図、一括りにバロックボウですが、最初の頃の弓に比べ年代が経つと反りが逆になっていくのが分ると思います。

では、なぜ狩りに使う弓のカーブからほぼ逆のカーブへと移行していったのでしょうか・・・

実際に弓を使って実験してみるとすぐにわかりますが、逆反りの弓で楽器を弾こうとすると安定性と直進性が無くフラフラしてとても弾きにくくなります、つまり弓が今のような反りになっていったのは直進性の確保、弾きやすさを追求していった結果だと思います。

バイオリン属が登場したのが16世紀頃ですのでそのころから弓の形状もどんどん弾きやすく変わっていったのではないでしょうか。

今でこそ、前回お話しした弓の材料はペルナンブーコが一番良いとされていますがバロックボウはペルナンブーコに比べると重く、硬い材料でアイアンウッドやスネークウッドという材料が多く使われていました。

バロックボウ以後オールドボウの時代にもペルナンブーコ以外で作られた弓は結構あります。トルテ以降ペルナンブーコは高価で手に入りにくくなっていったとも言われていますが、フランス革命後のフランスの情勢の不安定さなのかは分りません。この時代は1789年の革命からナポレオンの時代へと続く歴史の真っただ中ですから輸入が途絶えたり流通がなくなったのかもしれません。、こんな中生きるために弓を作り続けていたんですね。

こうして弓の形とともに機能性が進化してきた楽弓は図の一番下に出ているビオッティ(イタリアのバイオリン演奏家)がパリで活躍中のトルテと出会いこんな感じにしてくれ!!とでも言ったんでしょうか?助言をし、トルテが試行錯誤して今の弓の反りになったと言われています。

最初は通奏低音を弾くためのものだったので早いパッセージなどは必要なかったのが、バイオリン属の発展とともに必要になったため進化して、現在の形にトルテにより完成さました。ここまでがバロックボウの歴史と言っても良いと思います。

弓のシャフトの削り方、フロッグの形の様々な改良、工夫がなされトルテを超えるものを作ろうと後の製作者が作り続けても超えられない、故に弓のストラディバリと呼ばれています。

次回はそんなトルテの話も交えつつ弓のタイプの話をしようと思っています。

では、また次回。「弓の話3」で!

井田