Fittingの話4-1

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今回のfittingはcelloのエンドピンのお話をしていこうと思います。長くなりそうですので2部制で行きたいと思います。

celloのエンドピンのシャフト(棒の部分)といえば金属のもので太さが8ミリのものか、10ミリのパイプ状のものが一般的で、金属の材質もスチールやアルミ、タングステンなどでできているものが今の主流です。

今の主流はひとまず置いて、まずエンドピンの歴史をお話していこうと思います、想像を交えつつですので事実かどうかは分かりませんが(^^;話の都合上、本体に付いている部分を台座、シャフトをピンと呼んでいくことにします。

今のモダンのチェロと違いバロックチェロには台座のみでピンがありません、バロックチェロは楽器を足で挟んで固定して弾くのでviolin、violaと同じ形状のテールピースを固定するための台座が付いているだけでした。

それから楽器をより楽に固定し演奏しやすくするために台座に直接刺すピンが出来ました。このピンは台座にテーパーになっている穴が空いていて、そこに黒檀で出来たピンを指して使うものでした。これによって足で挟んで固定していた楽器が自由になり演奏し易くなりました。ただしこのピンは長さの調整が出来ないのとピン単体で持ち運ばなければなりませんでした。ここは少し不便ですね、恐らくいろんな長さのピンがあり、自分に合う長さのピンを持っていたのかもしれません。

それから台座に穴を開けてピンを通し長さの調整が可能になる様に改良されました、この時はまだピンは黒檀で、太さも今のものよりも太いものでした。これは強度的に太くないと曲がったり楽器を支えきれないためだと思います。そしてさらに改良されピンが金属製になり、細くなり、様々なピンが作られる様になりました。

ここで一つ思う事はピンは元々無かったもので最初に出てき時の概念は楽器の一部で付属品と言う考えでは無かったのではないかと言う事。それが時代と共に別の独立したパーツとなってしまったのではないかということです。最初に出来たであろうピンは金属ではなく木材で、元々エンドピンと言うものは木材で出来ていた、楽器の一部。単純に台座が伸びたものと考えると今のエンドピンの状態は楽器との折り合いが悪そうです。金属は楽器にとっては異物ですし木材と比べるとかなり重いものです。

そこでまずピンを黒檀にしてみることから始まりました、太さは強度の関係で昔あった黒檀ピンと同じ太さで、台座は既製のものを改造して作り実際に製作してみました。

昔ながらの黒檀ピンですが、このピンと金属ピンの差が歴然で音の広がりや倍音の成分まで全然別もので、改めて金属ピンと言うのは楽器の振動を妨げていて楽器にとっては余分なものだと思いました、特に材質の金属が重くなればなるほど音の響きは無くなり反応も落ちていくことも分かりました。つまりピンは無しで弾いてくださいというのは流石に無理なので材質を軽くして反応の早い材質であれば楽器にかかる負担も少なくなり、楽器の反応も早くなって倍音も増えて来るのではないかと言う考えになりました。

ピンを留めるネジの材質一つで音が変わってしまったのにはビックリしました(^_^;)

最初に作った黒檀ピンはこんなものです。台座も改造品ではなく1から作ってネジも真の部分以外は黒檀で作っています、先端は床に刺さる部分なので金属ですが黒い部分は黒檀で台座のネジの入るところも木だと強度が出ないので真鍮でできています。黒檀ピン

こんな感じです、これから楽器の反応や強度などを考えて弓の材料にも使うフェルナンブーコで同じものを作ってみました。二つのピンの違いなどは次でお話していこうと思いますのでひとまず1部は終わります。