エンドピンの歴史(松本弦楽器ver.)

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これまで、フィッティングの話の中でチェロのエンドピンについて書いた回がありました。

今回はそのエンドピンの話を少し深掘りしてどうやってその形になったのか、松本弦楽器のエンドピンの歴史をお話ししていきたいと思います。

 

まず最初に一般的にチェロのエンドピンはネジの向きが楽器を正面から見たとき左側に付いています。これは演奏者がピンの長さを調整するときネジの向きが左側だと演奏者の手前にくるので調整しやすいためにその向きについていると思うのですが、松本弦楽器は正面から見たときは見えない位置、つまり下向きに付いています。

理由は楽器の片側に重さが掛かるので楽器の左右のバランスが悪くなるから重さが掛かるなら真ん中にかかれば左右のバランスは取れるためです。

それを踏まえてスタートします。

 

 

1つ目のエンドピンは台座を軽量化しネジも削り込んだものです、これは既製品の台座を真鍮部分を軽くすることによって楽器全体の重さを軽くして楽器にかかる負担を少なくすことが出来ました、もちろんネジは下向きです。これは1991年に既製品の改造バージョンとして親方が作ってみたところ元々のものより格段に楽器の反応が良くなったので以後この形で使っていたそうです。すべてはこれから始まります。

 

 

 

2つ目は昔あった黒檀のピンでできたエンドピンの台座を再現してピンを黒檀で、台座を元々あるものを改造したものです。一つ目と二つ目の大きな違いはピンが金属製から木になったことです、また、ピンを抑える構造がピンをネジで直に押す構造からピンを押すものが台座の中にあってそれをネジで押すことにより固定する構造になったためネジの軽量化も出来ました。これは2001年に最初に作ったそうで、できたばかりの頃はガット弦を使っている人にはとても合うけどスチール弦やナイロン弦には合わないだろうと思いあまり積極的に交換しなかったそうです。ですが試しにスチール弦を張っている楽器に1つ目のものから取り替えてみたところこれまた格段に音が変わることに気づいて交換し始めたそうです。

 

3つ目は2つ目の台座を最初から製作したもので構造はほぼ同じですがネジのうちわまで木で出来ていますピンを抑える受けを押す中心のねじ部分が真鍮で出来ている構造で大した変化がないように思うかもしれませんがこれが劇的に変化しています、この時僕は単純に素材での軽量化が楽器の負荷を減らし余分な重さを減らすことで楽器のバランスをよくしているものだと思っていました、それがハズレではないけど正解ではないことに後から気が付きます。これは2012年からです。

 

 

 

4つ目は2014年から作り出したもので以前フィッティングの話でもご紹介したもの、3つ目のエンドピンの材料が弓の材料であるフェルナンブーコになったものです、詳しくはFittingの話エンドピンの部をご覧ください。これが松本弦楽器エンドピンの変遷です。

ここから先のバージョンアップはもう無いのではなんて言われていましたがちっちゃくバージョンアップはしています

が、それは次回にお話ししたいと思います。

お楽しみに!