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夏休みのお知らせ

いつもお世話になっております。

夏休みのお知らせです。

2020年8月13日(木)~8月18日(火)までは夏季休業とさせていただきます。

なお、17日(月)、18日(火)の2日間は親方は不在ですが井田は会社に居りますので

ご連絡下さればご対応させていただきます。

よろしくお願い致します。

STRADPET

本日は個人的に少し嬉しいお話をしようと思います。

以前、Fittingの話の中で、1本脚の顎あてを紹介しました。その足はチタン製のもので元々既製品のチタンの2本一緒になっているものを切って、削って作っていたもので作るのに少し時間が掛かっていました。

IMG_0897この金属部分です。

実は最近新たな商品を見つけてしまいました。少し前からあったものだと思いますが知りませんでした!

それがこちら、STRADPET

SCALLOP Chinrest clampです。

その名の通りSCALLOP 貝殻の形をしていて元々セパレートになっています。もちろん製品としては2本組で1セットです。今までもともとセパレートのものはありましたが、重くてごつくて使えなかったのですがこれはチタン製で軽いうえ裏板側の部分が少し張る様にできているので安定性も少しアップすると思います。下側のコルクが少し厚いのでこれは皮に張り替えます。何よりこれがあればチタンを切って削る手間が省けます!!楽になります!!!

いつも削って作っていたものと比べても重さも0.4gくらいの差で少し重いくらいなので許容範囲内です。これからはこれもラインナップに加わりますのでよろしくお願いいたします。珍しく商品のご紹介となりました。ではまた。

 

毛替えの時期

今回は主に弓の毛替え時、少し弦の交換時期について少し書いてみようかと思います。

一般的には弦交換と毛替えは3ヵ月に1度行うと良いですよ。と言われていますが何故だと思いますか?

僕自身明確な答えは分かりませんが、恐らくこうなんじゃないかと思うことは弦に関しては以前もどこかの回で書いたと思いますが張りたては弦が馴染んでいなくて芯線が伸びきっていないので音が騒いでいて、うるさい感じがして自分の近くで音がガーガーなっているように感じられます。それが大体3か月経つと芯線も程よく馴染んで少し落ち着いてきます。すると弦が鳴らなくなった、音が小さくなったと感じてしまうのです。そこで新しい弦を張るとまた騒がしい感じになります。そのうるさい感じが良い人、大きな音が鳴っている感じが好きな人は3ヵ月に1回程のペースで交換しますし弦の寿命だと思うのかもしれません。

それが一般的だということはそう感じる人が多いのかも知れませんし、そのほうが好きな人も多いのかも知れません。それにそう言って弦を販売すれば「弦は切れない限り使えますよ。」と言っている販売店より明らかに売り上げは上がるでしょう。

毛替えも同じように一般的に3ヶ月と言うのは毛のキューティクルがツルツルになるとか季節ごとに交換とか言われていますが、確かに日本ではこれから梅雨時になり湿度が高くなってきて毛は伸びますので元々長く毛を入れていればもっと長くなるのでネジを巻いても巻いても毛が張れない!と言う事にもなるかもしれませんし、冬の乾燥した時期には毛が縮みますのでネジを緩めても毛が緩まない!となるかもしれません。その場合は毛を替え季節に合わせて毛の長さを調整せざるをえない場合もあります。

あとは、毛の片側を切って弓が曲がってきている場合、これも毛替えをしてあげるか、もっとひどい場合は弓の反りを修正しないと駄目な場合も出てきます。

ですので毛替えに関しては良く毛を切ってしまう人は別にして3ヶ月と言うよりは最低でも半年に1回で十分だと思います。 これは楽器の状態も絡んでくるので何とも言えませんが、楽器の状態の悪い人は恐らく3ヶ月で弦も変えたくなると思いますし、毛もよく切れる状態になるので別枠です。毛も切らなければ長く使ってあげた方が毛のゴムみたいな部分が無くなってきて良い感じになるのでお勧めです。ちなみに手元の部分に黒く汚れが付くので毛がだめになったと思い毛替えをするという人もいますが、ご安心ください毛は大丈夫です。気にしないで使ってください。寧ろ譜捲りの際にシャフトを無意識に持っている人がいたら注意してください。手の汗がシャフト部分に染みそのまま使い続けたら結構面倒なことになりますのでご注意を。是非譜捲りの際自分がどこを触っているか確認してみてください、もし木の部分を触る癖がある人はその部分の色が変わっているか、塗料が剥げているかもしれません。

それにしても毛替えも最低でも半年は持ちますよと言っているし、弦も切れなければ大丈夫と言っていたら商売あがったりですねぇ(^-^; 

毛替え、弦交換は3ヵ月に1回と言われて何故なんだろうと思っている人がいたら「普通はそうだから」で終わらないで少し長く使ってみるとか色々試してみると良いと思いいます。その結果やっぱり3ヶ月だなと思えばそれで良いですし、全然大丈夫と思えばもっと使ってみれば良いと思います。人に普通はこうだからと言われて流されるより自分でそうなのか、そうでないのか思うことが大事だと思います。 プロに全部管理を任せるのも悪いとは思いませんが、自分の道具なんですから少し関心を持ってみるのも良いんじゃないでしょうか。

楽器屋さんでライヴ!!vol.28

5月29日に28回目の工房ライブが開催されました。

今回のライブはコロナウィルスの影響で中止になってしまったViolin:喜多直毅さん、箏:元井美智子さん、Bass:西嶋徹さんのトリオでの開催でした。今年この三人で全国のツアーを予定していたもののすべてキャンセル、29日も緊急事態宣言の解除がなければ中止になっていたものでしたが、何とか東京都も緊急事態宣言の解除となってソーシャルディスタンスを保ちつつ部屋の窓を開け放ち換気に十分注意して人数も制限させていただきながらの開催となりました。奏者以外のお客様はマスク着用でした。

そんな中で演奏されたのはタンゴや、邦楽のアレンジなど、ツアーで披露する予定の曲目だと思いますが1ステージにこれまでの演奏できなかったフラストレーションを吐き出すかのようで聞いているほうもなんだか久しぶりに生の演奏を聴かせていただいてとても感慨深く、やはりライブはいいな!と思いました。

ネット配信などのオンライン上の演奏もこれからはもっと増えるでしょうし、すぐにはこの事態も完全に収束はしないと思いますが、なるべく生の音に触れていきたいと思うのと同時にオンライン上でも便利な世の中になればもっと様々な人に色んな音楽、情報などをお届けできるのになぁと緊急事態宣言が出てから色々考えるきっかけになり、それをこれから勉強して少しずつ形にしていこうと思います。実現できるかどうかは分かりませんがIT化が進めば必ず実現できるはず!と思って頑張ります。

バスバーと魂柱 その2

前回のバスバーと魂柱から引き続きまして今回は魂柱に関するお話です。

魂柱は表板と裏板、横板から成る箱の中に表板を正面から見たときバスバーと反対側(高音域側)にあり、表板と裏板を繋ぐ様に立っているものです。詳しい説明などは省きますがsettingのお話でも多少触れていますが魂柱の立つ位置は表板を正面から見て駒より下側になります。

日本語では「魂柱(こんちゅう)」読んで字のごと、魂の柱です。あの小さい棒を魂と呼ぶ、それだけ重要なものだということが分かります。

英語では「soundpost」直訳では音の柱、表板と裏板を繋ぎ、駒から伝わってきた表板の振動を裏板に伝えるというサウンドポストの説明の通りの意味です。

ドイツ語では「stimmstueck/seele」stimmstueckは「音の柱」。seeleは「魂」

イタリア語では「anima」意味は「魂、命」と言う意味です。ラテン語では呼吸、生命といった意味になります。余談ですが動物のanimalや、アニメーションanimationなどはこのanimaが語源で命を吹き込まれたものと言う意味です。

不思議なことにイタリア語や魂柱などは抽象的な魂や生命と言う言葉なのに英語になるとsoulpostとは言いません。やはり解釈の違いなのでしょうか?

魂柱などの意味でいうとそれを立てることで、楽器に命を吹き込む命を灯すというような感じがありますが、サウンドポストだと音を伝える柱と言う具体的なものです。

もちろん、音を伝える柱なのには違いありませんがそれだけではなくと、魂柱が立つことで命を吹き込まれたと考える方が夢があって良いですね!

英語表記だと一つ一つが別のか独立しているものが集まって出来たものという感覚ですが、元々のラテン語やイタリア語などの表記だと全部で一つのものができているという感じでしょうか?全部繋がっているので当たり前と言えば当たり前なのですが、そういう感覚で接してきていなかった僕にはとても新鮮で目からうろこの様な感覚でした。

なのでこれからはそんな反省を踏まえて木を見て森を見ずにならないように向き合っていきたいと思いました。

バスバーと魂柱 その1

今回は、ずっと書こうと思っていて書かずにいた(構想を練っていたわけではありません、ただのサボりです)、そして今まで知らなかったのか!と怒られてしまいしまいそうなことを書いていこうと思います。

バイオリン属にはバスバー、魂柱というものが必ずありますが、今回はそのバスバーと魂柱に関するお話です。

まずはバスバー。表板の裏側に接着されているもので英語ではBass Bar低音域側にある棒という感じでしょうか、日本語では力木(ちからぎ、りきぼく)梁の様な意味合いです。そしてイタリア語ではcatena(カテナ) 鎖、ラテン語でも同じくcatena(カテナ) 連結、連鎖という意味です。

この意味合いだけ考えるとこの3つは全然別の意味に考察できます。

「Bass Bar」の場合 低音域側にある棒、表板を支えるために、また弦を弾いたときに駒から伝わる振動を表板全体に伝えるために付随するものというのがBass Barの一般的な説明です。

「力木」の場合 梁などの意味でほかの部位を補強するための木材。力木は英語にするとbracingと言ってギターなどの表板、裏板などに接着されているものになりバイオリン属の裏板に接着されているものとは意味が違ってくる気がします。

「catena」 の場合 まず最初に「鎖」と出ます、つまり支えるとか張りを出すとかそういった意味合いは無いところが面白いです、また「連結、連なる」と言った意味合いも含まれています。

つまり、イタリア語、ラテン語の解釈だと単に連なったもの繋がったものと考えられます。そもそも最初はバスバーというものは無くて表板の低音域側は高音域側に比べて厚みが厚く作られていたものが徐々に今のような形に膨らんできて出来たとも言われています。catena di montagneという言葉で「山脈」なので単に山の様な形をしたものという意味なのかもしれません。そう考えるとcatena≠表板に付随するパーツで、catena=表板から派生した表板の一部になると思います。 

一般的にバイオリン属の修理などをしていてバスバー側のさがってしまった楽器を元のアーチに戻すときなどはバスバーを新しものに張り替えたり、石膏型を取ってプレスアップしたり(これはバスバー張り替えも含みます)しますが、実はオリジナルバスバーだった場合はバスバーを張り替えたりしなくても材の持つ弾力さえキチンとしていて表板が削られたりしていなければセッティングさえきちんとすれば使っている間に元に戻ってきます。逆に新しいバスバーに張り替え、張りをかけて接着したところでセッティングがしっかりしていなければまた下がってきます。 張りをかける膨らめるというのは一時的なものでトータルバランスではあまり意味がありません、そもそも前述を踏まえると表板の一部であるcatenaはパーツではありません。もしオリジナルのものがついていたら削るなんて言語道断です。

バランスさえ整えてあげれば時間はかかりますが膨らみは戻ってきます。そういう意味では「連なったもの、繋がったもの」これが1番しっくりくるように思います。

本場のイタリアで勉強された職人の方々、または勉強して知識としてある方はバスバーと言わずにカテナと言うでしょうし、言わなくともその意味も知っていると思いますが、自分の勉強不足でこれまでバスバー(力木)=張りをかけるものと言う名しか知らなかった自分が恥ずかしいですね。イタリアが本家なのに…。つい癖でバスバーと言っていますがこれからは「catena」のつもりで「バスバー」と言おうと思います。

今回はバスバーに関してでした、バスバーの寸法や付ける位置などはいろんな風に言われていますが名前に関して考えてみるのも楽しいですね。という訳で魂柱は次回、間をあけずに書きたいと思いますので頑張ります。

ゴールデンウィークの営業に関するお知らせ

少し早いですが、ゴールデンウィークの営業に関するお知らせです。

新型コロナウィルス感染対策による外出自粛などの影響もあり2020年のゴールデンウィークのお休みは4月29日(水)〜5月6日(水)とさせて頂きます。

また、それ以外の日の営業に関しましては今後の東京都のコロナ感染症の拡大次第となりますが、工房には基本的には連絡がつかないという事はございせんのでお電話、メールでのお問い合わせなど併せてご利用いただき、ご確認くださればと思います。

よろしくお願い致します。

楽器屋さんでライヴ!!vol.27

少し時間がたってしまいましたが、3月7日に第27回目の工房ライヴが開催されました。

今回は新型コロナウイルスの影響もありお客様が大変少なかったのですが、換気、消毒をしっかりとした上での開催となりました。最近ではライヴや演奏会などキャンセルになることが多く、どうなることかと思いましたが無事に終了いたしました。

今回のメンバーは昨年1度共演しているお三方、バイオリンの喜多直毅さん、箏の元井美智子さん、コントラバスの西嶋徹さんのトリオでの演奏でした。1ステージぶっ続けの演奏で即興演奏ではなくアレンジしたものを中心にした演奏でした。このメンバーは今年ツアーを行うようでその曲なども演奏してくれました。実際曲と曲の間がなくずっと演奏するのは奏者も聞く人も体力いるなぁというのが感想です。 耳なじみのあるフレーズが出てくるときもあれば全然わからない時もあって、実はそこが曲間で次の曲に行く間に即興を入れていたようです。バイオリンと箏とコントラバスというのも慣れてくるとそれぞれの音域も違うのでとても面白い組み合わせではなかろうかと思うようになりました。 そんなお三方はまた工房でのライヴが開催予定です。おそらくツアーに向けての曲を演奏してくださるはず! 興味のある方は是非是非工房でのライヴに足を運んで実際に目の前での迫力のある演奏を楽しんでみてください。