これまで弓の歴史や材料についてお話してきましたが、ここまでは文献や資料を見れば分ります。
今回のお話は弓のタイプのお話ですが、これは証拠があってこのお話をするのではなく、仕事の中で色んな弓に触れてこの弓はこうなんじゃないか?という考えのもとのお話なので一つの意見、考えだと分って頂けると嬉しいです。
タイプと言ってもご存じの方もいらっしゃると思いますが俗にいうサルトリータイプ、ペカットタイプ等ではなく、もっと根本の弓の木取りのお話です。
手書きの絵で汚いですが上の図の違いはお分かりになるでしょうか、材料のペルナンブーコを弓を作るためにカットします(木取りと言います)が①は木をまっすぐに木取っています、材料の無駄がなく1つの材でたくさんの弓が作れます。①´は最初から弓の反りに沿って木取っています。材料に無駄な部分が出てしまいますね。本数も多くは取れません。
ここが1番違い、決定的に弓の性能の差が出る部分であり弓作りにはこの2タイプあったと考えられます。これの中間のような弓もありますが…
ではこの2タイプどのような違いがあるのか、自分たちが弓を扱っていて感じたこと、思ったことをお話ししていこうと思います。
このお話をするにあたって、まずは弓の作りかたを簡単に説明させて頂きます。
これから説明する作り方も本当にそうか?と言われると、そう思うとしか言いようがないのですが便宜上これで行きます。便宜って便利な言葉ですね(^_^;)
ひとまず弓の話3-2から弓の作り方を始めます。タイプの違いについてより分りやすくなると思いますのでちょっと脱線します。そんなの良いから早くしろと思うかもしれませんが、ごめんなさい引っ張ります<(_ _)>
では次回、弓の作り方です。
井田